2011年09月11日
「かちかち山」 たぬきが悪い? うさぎが悪い?
8月始めの実行委員会に、Mさんが持ってきて下さった「かちかち山」山下明生 文・小山友子 絵・あかね書房 2010・10発行木版画のやわらかい色使いで分かりやすく親しみの持てる絵で、たぬきは悪役づらではありません。
驚いたのは、山下さんのあとがきです。
そのタイトルは たぬきが悪い? うさぎが悪い?
内容は●昔話は不思議 ●「かちかち山」は残酷昔話の代表
最後に●裁判員制度ができた当初、香川県の小学校で、被告をうさぎとして、たぬきをいじめ殺したのは正当かどうか、という模擬裁判がひらかれ、小学六年の裁判員諸君は「うさぎに禁固9年の実刑」を下したそうです。さて、あなたの裁定は?
と問いかけで締めくくってありました。
私にとって、うさぎが悪いの判決には、えっどうして?
それに、昔話を裁判にかけるの?などどう考えても納得がいかず、しばらくは会う人ごとに、どう思う?と聞きまくっていました。どうにも釈然としないので、色々資料を集めかけたら・・・なんと次々にいろんな立場の人の考え方や資料が出てきて、楽しい!面白い!とのめりこんでしまいました。
香川県の小学校の模擬裁判に関しては、一般に伝えられている「かちかち山」のお話とはかけ離れた、たぬきに都合のいい話へと変えて伝えたそうです。模擬裁判の目的がどうあれ
昔話の内容を変え、こういう裁判を行った事自体が私には不可解でした。でも、そのおかげで、昔話とはなにか?
昔の人は何を思って昔話を語ったのか?を考えるきっかけになったのは幸いでした。この本を教えてくださったMさんの
真意はそこにあったのかな
次回は「かちかち山」は残酷か?という題で考えてみたいと思います。絵本展実行委 あっこたん
驚いたのは、山下さんのあとがきです。
そのタイトルは たぬきが悪い? うさぎが悪い?
内容は●昔話は不思議 ●「かちかち山」は残酷昔話の代表
最後に●裁判員制度ができた当初、香川県の小学校で、被告をうさぎとして、たぬきをいじめ殺したのは正当かどうか、という模擬裁判がひらかれ、小学六年の裁判員諸君は「うさぎに禁固9年の実刑」を下したそうです。さて、あなたの裁定は?
と問いかけで締めくくってありました。
私にとって、うさぎが悪いの判決には、えっどうして?

香川県の小学校の模擬裁判に関しては、一般に伝えられている「かちかち山」のお話とはかけ離れた、たぬきに都合のいい話へと変えて伝えたそうです。模擬裁判の目的がどうあれ
昔話の内容を変え、こういう裁判を行った事自体が私には不可解でした。でも、そのおかげで、昔話とはなにか?
昔の人は何を思って昔話を語ったのか?を考えるきっかけになったのは幸いでした。この本を教えてくださったMさんの
真意はそこにあったのかな

「手紙はよほど気をつけて書かないと、相手によっては、読み手に都合よく解釈されて自分の真意が伝わらないことがある。
そのくせ文字で残っているから何度も読み手の解釈を確認されたりして怖いよね。だから誰にでも葉手紙書かないんだ。」と言った人がいる。
メールの誤解による思い込み恋愛もそのたぐいかもしれないと思うことがある。
個人の手紙はその人の発進だけど、長ーく語り継がれてきたものは、書かれるとき書き手の解釈の仕方がプラスされて、また違った物語になって伝わることがあるのかもしれない。
今こうして書いているこれも、また然り、受け手によって微妙に違うのだろうな・・・。
文字を持たずに、言い伝えで伝承をしてきた民族の生き方に触れてみたいなと、ふとおもった。
カチカチ山の気になる部分だけを取り上げて子供に議論させたという事実を、どう受け止めよう。
どちらが正しいのかを論ずるのなら「豚のいた教室」の子供たちのように、自分の問題としてとことん話し合える過程を持てるものがいいな。
大人はともかく子どもがそういう形で昔話と対峙したことで、ほかの昔話に対しても、私とは違う視点で手に取るようになるのではないかと危惧するのは、考え過ぎ?
「世の中で大事なことを決める時、七世代先のことをかんがえて、七世代先の子どもたちのことを考えて決めよう」という言葉を思い出す。
ウサギかたぬきかより、昔話をそういう取り上げ方をしたということが、気になった私がいる。