「かちかち山」 たぬきが悪い? うさぎが悪い?
8月始めの実行委員会に、Mさんが持ってきて下さった「かちかち山」山下明生 文・小山友子 絵・あかね書房 2010・10発行木版画のやわらかい色使いで分かりやすく親しみの持てる絵で、たぬきは悪役づらではありません。
驚いたのは、山下さんのあとがきです。
そのタイトルは たぬきが悪い? うさぎが悪い?
内容は●昔話は不思議 ●「かちかち山」は残酷昔話の代表
最後に●裁判員制度ができた当初、香川県の小学校で、被告をうさぎとして、たぬきをいじめ殺したのは正当かどうか、という模擬裁判がひらかれ、小学六年の裁判員諸君は「うさぎに禁固9年の実刑」を下したそうです。さて、あなたの裁定は?
と問いかけで締めくくってありました。
私にとって、うさぎが悪いの判決には、えっどうして?それに、昔話を裁判にかけるの?などどう考えても納得がいかず、しばらくは会う人ごとに、どう思う?と聞きまくっていました。どうにも釈然としないので、色々資料を集めかけたら・・・なんと次々にいろんな立場の人の考え方や資料が出てきて、楽しい!面白い!とのめりこんでしまいました。
香川県の小学校の模擬裁判に関しては、一般に伝えられている「かちかち山」のお話とはかけ離れた、たぬきに都合のいい話へと変えて伝えたそうです。模擬裁判の目的がどうあれ
昔話の内容を変え、こういう裁判を行った事自体が私には不可解でした。でも、そのおかげで、昔話とはなにか?
昔の人は何を思って昔話を語ったのか?を考えるきっかけになったのは幸いでした。この本を教えてくださったMさんの
真意はそこにあったのかな次回は「かちかち山」は残酷か?という題で考えてみたいと思います。絵本展実行委 あっこたん