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2011年10月30日

わたしにとっての昔ばなし

わたしにとっての昔ばなしは、
おばあちゃん」と「NHK」。



小さい頃、わたしを寝かしつけるために、ばあちゃんが読んでくれていた記憶と、
NHKのテレビ番組で、アニメや人形劇でやっていた記憶。

でも今回。。。
昔話にポイントを絞って考えてみたら、
な〜んにも知らないことに気づきました。

絵本が好きで集めてはいるけれど、
日本の昔話の絵本は1冊も無いことに気づき。。。

日本五大昔話である、
ももたろう」「かちかちやま」「さるとかに」「したきりすずめ」ですら、
タイトルは知っていても、
あらすじすらもあやふやで、
とても知っていると言えないことに気づき。。。

ただぼんやりとした思い出として、
頭の中にあるだけなのです。


今回の思い出の絵本展のテーマである「語りつぎたい日本の昔話」を通して、
私自身も色々な昔話を知り、
こどもの視点、おとなの視点、
ママの視点、パパの視点、じぃじばぁばの視点、
色んな視点からどんな風にとらえているのかを
知れたらいいなと思います。

そして、日本人として恥ずかしくないよう、
ちゃんと昔ばなしを語り継げるようになりたいとおもいました。


ところで。。。
私にとって、おばあちゃんが読む昔ばなしは特別なのですが、
昔ばなしって、「おばあちゃん」が読むだけで、
なんか不思議な空気が流れ、様になるのはなぜでしょう?

昔ばなし=“ばあちゃんの最強アイテム”


そう感じるのは私だけでしょうか?
年の功が昔ばなしに深みを与えるのでしょうか?
声や、ゆったりとしたリズムが、物語に奥行きを与えているのでしょうか?

おばあちゃんが読む昔ばなし、大好きです。
すてきに昔ばなしが語れるおばあちゃんになりたいです。


思い出の絵本展実行委員 なっちゃん  

by 思い出の絵本展 実行委員会 at 18:23●絵本のハナシ
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2011年10月26日

昔話、神話、伝説

人間が言葉を得たときから、神話が生まれ、人々が語り合った話は
昔話や伝説として伝えられたのではないか。

同一の話しが、少しずつ変形して
語られることによって分けられている。

gift&mail6昔話

“むかしむかしあるところに…”
時代、場所が特定されていない。
登場人物も時には名前もわからない。
「桃太郎」をみても史的事実とは異なる。
民衆の中で語り伝えられて生きてきたもので
深層心理を考えるにも重要な意味を持っている。
人間の生きる根源的なものを知る手段にもなっている。


gift&mail6神話

原古の時代について語られる
古代人特有の宮廷官人の迸録された素材は、
天皇を始め、豪族の始祖伝承、民間の歌謡、口承説話など
「生まれたもの」であって「作られたもの」ではない。
厂史と神話を弁証法的に止揚するものであるかもしれない。

※弁証法=弁論によって証明、概念によって証明する。
フーガのように繰り返しながら変化しつつ進行する。
※止揚=相対する二つの概念を高いところで調和統一させるもの。


<例>
西洋の昔話は → ハッピーエンドが多い
日本の昔話は → ネガティブな話が多い
(↑カチカチ山、猿蟹合戦、落窪物語 etc.)

日本の残酷さは → 心の深い層に生ずる真実を語っている
<現代では子供を喰いものにしている親が多い>
昔話は長い年月を経て出来あがっているもので、
極めて普遍性が高く、心の深みと響きあう性質を持っている。
心の深いところから来る話が口承で残って今に生きている。
それぞれの人がどう読んだかが大事なことであり、
長い間に大事なものが意味あるものとして
現代にまで繋がっている。
モラリッシュ ファンダジーになって、
よかった、おもしろかったというのが一番いいことだと思っている。


竹取物語=かぐや姫
見るなの禁の物語。「夕鶴」などは典型的な物語である。


<参考文献>
「物語を生きる」「昔話の深層」「神話と日本人の心」
「大人への児童文化の招待」〈上〉 → 河合 隼雄 著
「祭りの現象学」 → 薗田 稔 著


思い出の絵本展実行委員
田舎のおじいちゃん


  

by 思い出の絵本展 実行委員会 at 02:21●絵本のハナシ
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2011年10月25日

絵本で楽しもう!

「思い出の絵本展2011」今年は「語りつぎたい日本の昔話」のテーマで
11月2日から6日迄、飛騨市図書館の“にじのひろば”であります。

絵の比較や文章の違いを見たりして、
楽しんでもらえたらと思います。

昔話を調べてみました。
「日本霊異記」「竹取物語」「今昔物語」
「宇治拾遺物語」「御伽草子」等の中のよく似た話を見て、
一人で推理するのも楽しいものです。

飛騨市の教育委員会で平成20年から
絵本「ふるさとの民話」を発行しており、
今年3月に4冊目が出ました。

その第5話「すずめの恩返し」が
宇治拾遺物語の「雀報恩の事」と同じ内容です。

子どものいたづらで飛べなくなった雀を助けたお婆さんに
雀は種でお礼をした。
種を植えておいたら、ひょうたんが実り、
米が出てきて豊かになる。
とそれをねたんだ隣のばあさんの話。

静岡県にも同じ話で伝わっております。
口伝に伝承されたことのすばらしさを感じます。

創作能力のある人が「舌切り雀」の話にしたのでしょうが、
兵庫県の民話では、お嫁さんが姑さんに糊作りを命じられたのに
糊を食べてしまったため舌を切られた。
嫁さんは雀になって飛んで行ったとなっている。

思い出の絵本展実行委員会での話。
「雀の食べた糊は何だ!?」
「米からできたのだろう」
「布海苔もある」

という話も出た。

どの本にも「糊」とだけあるが、
ある本に米から糊を作ることになっています。

糊の話が出た機会に“布海苔”について考えました。
現在ほとんど用途のない布海苔。
これを知っている人は相当の年配者です。

絵本展の会場で60年程むかしの“布海苔”を手に取ったり、
使い道などについて、話の花を咲かせてみませんか?



思い出の絵本展実行委員
飛騨のルリユール より



  

by 思い出の絵本展 実行委員会 at 10:00●絵本のハナシ
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2011年09月24日

かちかち山

かちかち山の残酷な所はたぬきがおばあさんを汁にしてしまったところだと思いますが如何でしょうか。
たぬきがうさぎきにやられるところは、出発点でどちらが悪かったのかを考えてみると仕方がないと思いますが。裁判となると話は別のところに発展する要素持ってくるような気がします。  

by 思い出の絵本展 実行委員会 at 00:05●絵本のハナシ
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2011年09月17日

「かちかち山」は残酷か?パート2

 今回は、昔話の研究家の小沢俊夫氏の解釈をお伝えしたいと思います。小沢さんは、1988年に絵本「かちかちやま」を再話され・赤羽末吉 画・福音館書店より出版されています。
『かちかち山』の解釈を『日本の昔話1 はなさかじい」1995年福音館のあとがきより
☆「このエピソードは、自然に囲まれて暮らしていた人間が同じ自然の中に生きている動物と、まず土地の支配権争いをし、そのうえ、食うか食われるかの、自分の存在をかけた戦いをしている物語なのです。人間は自分の生命を維持するためには、他の生物の生命をもらわなければなりません。ところが人間も動物の一種なので、他の動物に生命を奪われることだってありうるわけです。「かちかち山」はそういう厳しい生活の中で生まれた、シリアスな物語なのです。生命はどうやってなりたっているか、という根本問題を語っているといえます。
Mさんからいただいた資料・小沢氏の『昔話の世界』より
☆ [前半部にあたる「たぬきの婆汁」の話は残酷すぎるとしてカットされることが多いのですが、私の考えでは、これも日本の昔話の基本的構造を持っている重要な部分なのです。・・・こういう文明化された世の中だからこそ、生命をめぐる真相を単純なストーリーにして聞かせる昔話が重要なのだと思います。]途中省略
[昔話は、状況の描写をせずに、早いテンポでゴールに向けて話の筋を進めていきます。そのゴールとは、ほとんどの場合
主人公の幸せ、主人公の安全なのです。「カチカチ山」の場合は、主人公の安全といえるでしょう。なぜなら、もしたぬきがまだ生きていたら、いつかまた山の畑に現れて、爺のの仕事のじゃまをするかもしれないのですから。]と結んであります。
ー昔話の中で、残酷といわれている事が、人間が生きていくうえでの大切な知恵であり、生き抜いていく力を教えてくれている・・・だとするとタヌキは婆に怪我をさせただけで、
のちに改心して爺と婆に謝ってめでたしめでたしという、生ぬるいストーリーでは、生きていく厳しさも、自分の力の及ばない自然の厳しさも伝えた事にはならないのですね。
次回は心理学者の河合隼雄氏の解釈をご一緒に!
            思い出絵本展実行委 あっこたん  

by 思い出の絵本展 実行委員会 at 21:24●絵本のハナシ
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2011年09月16日

「かちかち山」は残酷か?

 前回いろんな立場の人が、それぞれの立場で、「かちかち山」を解釈しているとお伝えしました。今回は文学の方面から二作について。
 武者小路実篤・作 岸田劉生・画「カチカチ山」1917年(大正六年)出版 ほるぷ出版 名著復刻 日本児童文学館 ⑧ こちらは、私たちおなじみのかちかち山のお話。
面白いのは、
☆ 太宰治「お伽草紙」の中の「カチカチ山」三心堂出版社1998・12
内容を一部抜粋
● タヌキは確かに悪い、婆汁なんてのはひどい。縁の下に婆さんの骨が散らばっていたなんて・・・しかしそれなら何故、あだ討ちといって颯爽と一撃のもとに倒さなかったのか?背中を焼かれ、焼かれた箇所に唐辛子を塗られ、挙句の果てに泥舟に乗せられて殺される・・・武士道にあるまじきやり方。男らしくない。そうだ、ウサギのやり方が男らしくないのは当然だ。タヌキにこんなひどい仕打ちをするウサギは、男じゃない。このウサギは十六歳の処女だ。いまだ何も色気はないが、しかし、美人だ。そうして、人間のうちで最も残酷なのは、えてして、このたちの女性である。云々
なんとも文学者らしい解釈で、読んでいて笑いがこみ上げてしまいました。ここは是非みなさま原文でお楽しみいただきたいと思います。
太宰の残酷であるの意味は、タヌキは確かに悪い。しかしタヌキへの報復は、もっと正義の味方らしく、正々堂々と一騎打ちでなされるべき・・・こんなやり方は男ではない、女だ・・・おおっあんまり書くと女性陣から攻撃の手が挙がりそう
(笑)
次回は、昔話の研究家の小沢俊夫氏の解釈をご一緒に楽しみたいと思います。
追記太宰治の「カチカチ山」は、生誕100周年記念としてオカダ ミカの絵でパブリック・ブレインより出版されています。2009年2月21日 第一刷初版  絵本展実行委 あっこたん  

by 思い出の絵本展 実行委員会 at 12:03●絵本のハナシ
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2011年09月11日

「かちかち山」 たぬきが悪い? うさぎが悪い?

 8月始めの実行委員会に、Mさんが持ってきて下さった「かちかち山」山下明生 文・小山友子 絵・あかね書房 2010・10発行木版画のやわらかい色使いで分かりやすく親しみの持てる絵で、たぬきは悪役づらではありません。
驚いたのは、山下さんのあとがきです。
そのタイトルは たぬきが悪い? うさぎが悪い?
内容は●昔話は不思議 ●「かちかち山」は残酷昔話の代表
最後に●裁判員制度ができた当初、香川県の小学校で、被告をうさぎとして、たぬきをいじめ殺したのは正当かどうか、という模擬裁判がひらかれ、小学六年の裁判員諸君は「うさぎに禁固9年の実刑」を下したそうです。さて、あなたの裁定は?
と問いかけで締めくくってありました。
私にとって、うさぎが悪いの判決には、えっどうして?face08それに、昔話を裁判にかけるの?などどう考えても納得がいかず、しばらくは会う人ごとに、どう思う?と聞きまくっていました。どうにも釈然としないので、色々資料を集めかけたら・・・なんと次々にいろんな立場の人の考え方や資料が出てきて、楽しい!面白い!とのめりこんでしまいました。
香川県の小学校の模擬裁判に関しては、一般に伝えられている「かちかち山」のお話とはかけ離れた、たぬきに都合のいい話へと変えて伝えたそうです。模擬裁判の目的がどうあれ
昔話の内容を変え、こういう裁判を行った事自体が私には不可解でした。でも、そのおかげで、昔話とはなにか?
昔の人は何を思って昔話を語ったのか?を考えるきっかけになったのは幸いでした。この本を教えてくださったMさんの
真意はそこにあったのかなface02次回は「かちかち山」は残酷か?という題で考えてみたいと思います。絵本展実行委 あっこたん  

by 思い出の絵本展 実行委員会 at 06:54●絵本のハナシ
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