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2011年11月24日

「桃太郎」あれこれ


ご存知の通り、昔話というのは作者が誰で、書かれたのはいつ…
ということはハッキリしないのですね。

そして、いくつかの地方に内容や結末が異なる話が
伝わっていることが多いようです。
本来、争いなどしなで桃太郎ゆかりの地として
和やかに仲良く集まるキッカケとなっているようです。

「桃太郎」の場合、“桃太郎サミット”や“日本桃太郎会連合会”があり、
ちなみに、そのゆかりの地は以下の市や町だそうです。

岡山県…岡山市/総社市/倉敷市
香川県…高松市(女木島など)
愛知県…犬山市
奈良県…磯城郡田原本町



「桃太郎」あれこれ
さて、
『昔話とこころの自立』
松居友(まついとも)著 宝島社 1994年6月15日 初版発行
には、
桃太郎が鬼ヶ島に出向いたのは、
鬼が若い女性をさらっていったから
それを助けに行ったのだ。という筋になっている
地方の話が取り上げられています。

どの話によりますと、
桃太郎は鬼を打ち破って娘を取り返し、
嫁にしたのだそうです。

松居さんは、この話を分析して、
鬼とは、自分の手の内にある娘を誰にも渡すまいとする父の性の象徴で、
桃太郎は「娘さんをお嫁さんにください」と乗り込んでくる憎き若者…
鬼から娘を奪って結婚した桃太郎も、
やがて娘が欲しいと現れる若者に対して鬼となる。

という論を展開しています。

さだまさしのemotion18親父の一番長い一日 や、
映画home2花嫁の父 などというタイトルも思い出される
興味深い論ですね。

松居友さんは「桃太郎」を男の子の成長の物語として考えると、
青年期から大人への最後の自立の物語で、
第3次反抗期をテーマにしていると述べています。

そして、そういう観点から
“犬”と“猿”と“雉子”を桃太郎の自立を支える力として、
例えばユングという人がこころの能力としてあげている4つの能力、
「思考・感情・感覚・直感」と関連させて、

犬=激しい感情の力
猿=直感的な判断力
雉子=全体を俯瞰する力・感性をつかさどる感覚


と考えることもできると書いておられます。

松居さんは、上記の文に続けて、
別に、犬・猿・雉子を
このようにあてはめることにとらわれることはないが、
自立を達成するには、
上記の力が調和的に働くことが必要ではないか。と結ばれています。

昔話は古びない

松居友さんの本などに巡り会うと、
そういう思いが湧いてきますね。


face01「ムーミンパパ」より


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